犯罪被害者週間全国大会2016

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【2016年第14回全国大会の模様】

■日時:2016年11月26日(土) 12:30開場 13:00開会 17:30閉会 
■場所:東京晴海グランドホテル

■終了しました


開会の言葉 ハートバンド 代表  前田 敏章(北海道交通事故被害者の会)
本日は、「犯罪被害者週間全国大会2016」にお集まり頂きありがとうございます。 北は北海道、南は九州、全国14の被害者団体から、今年も多数の仲間が集いました。警察庁をはじめ、関係機関や団体、支援の皆様、多数のご臨席のもと、この日を迎えられたことに、感謝申し上げたいと思います。
私たちが、全国大会として集うのは14回目です。この中で、ハートバンドが単独で主催するようになったのは、2007年が最初ですので、それから丁度10回目、節目の大会でもあります。 支援を受けるだけの客体ではなく、権利主体としての歩みを始めた私たちですが、被害者の尊厳と権利回復への道のりは、やはり辛く、厳しいものがあります。
北海道での例で申しますが、旭川で5月に起きた、飲酒・暴走により尊い命を奪われた事件では、当初、飲酒が不問にされ、過失運転での起訴でした。遺族が必死に声を上げ、熱意ある記者さんを通して我々とつながり、要請活動を行い、何とか公判前に危険運転致死罪へと訴因変更されましたが、検察への信頼は揺らぎました。2年前の小樽事件の経緯があり、最高検の平成26年通達もありながら、何故、どうして、という思いです。 刑事裁判における被害者参加制度によって、法廷は被害者のためにもあるという、当たり前の方向に確かに変わりつつある、そのことは実感しながらも、なかなか抜本的には変わらない現実に、たじろいでしまうことがあります。
そのような中で、やはり希望は12年前に制定された犯罪被害者等基本法です。その推進を図る基本計画は、第3次となり、4月に閣議決定されておりますが、私たちの痛切な願いを反映し、総合的施策の項目数は、2次計画の241から261施策へと更に増え、貴重な改善策も随所に見られます。
新しい施策項目の中でも重要なのは、地方自治体レベルでの身近で具体的な生活支援です。私たちはこの大会を通して数年前から、実態調査を行い、「被害者が創る条例研究会」のお力添えで条例案を提示し、分科会では、支援者と共に討議をくり返してきました。 「3次計画」では、「支援のための体制整備」の項で、生活支援という文言を使い、そこに専門職の活用と新たな連携を強調するなど、より具体的な記述となっています。条例制定についてもふれています。 刑事手続きの関与拡充の項目では、これまで参加出来なかった公判前整理手続きへの傍聴への道が拓かれたことも紹介されております。
一方、あすの会を中心に長年求めている新たな補償制度が検討課題にとどまっていることなど、私たちの置かれている現状からすれば、遅々たる歩みという側面があることも事実です。
しかし、欧米各国から20年も30年も遅れていた我が国の被害者問題です。基本法によって光が当たってからまだ10数年です。社会全体の意識改革が必要な課題でもあることを踏まえ、焦りや諦めは禁物です。 絶望に陥るのではなく、基本法と基本計画を力に変えて、仲間を信じ、社会を信じて、前に進まなくてはなりません。 そのために、支援の方とともに、語り合い、課題を明らかにし、切実な現状と願いを広く訴え続ける、本大会の意義があると思います。
先ほどふれた、地方自治体における、被害者支援条例のとりくみですが、奈良県と大和郡山市で4月から新たに施行されました。大分県では、「ピアサポート大分絆の会」の奮闘もあり、この9月に、県議会が誓願を採択しました。知事は意欲を示し、今後市町村への拡がりも期待されるとのことです。さらに、名古屋市でもつい最近ですが、来年4月施行をめざして市条例の検討が始まりました。 大きなうねりとなりつつありますが、その起点となり結節点となったのが、本全国大会でした。
私たちは、本大会討議の中で、この1年間の活動の前進を共通の確信にしたいと思います。 そして大会テーマである「いのち、きぼう、未来」、言い換えれば、「被害者の視点から、命の尊厳と社会正義が貫かれる、希望ある社会づくり」に向かって、また歩み続けられるよう、皆さまのご協力を切にお願いして、開会の言葉と致します。


【警察庁犯罪被害者等施策担当参事官室 参事官 阿波亮子様】

来賓挨拶
御紹介にあずかりました、警察庁で犯罪被害者等施策担当の参事官をしております阿波と申します。
「犯罪被害者週間全国大会2016」の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

 まずもって、ハートバンドが発足して12年目を迎えられ、この間、構成団体の皆様方が、それぞれの活動を尊重し合いながら、連携して取組を続けてこられたことに敬意を表したいと思います。
全国の犯罪被害者団体が集う本大会は、今回で14回を数えるとともに、犯罪被害者週間に合わせた開催としては10回目であると伺っております。
本年4月1日に、第3次犯罪被害者等基本計画が閣議決定されましたが、第1次・第2次基本計画に引き続き、第3次基本計画においても、重点課題の一つとして、国民の理解の増進と配慮・協力の確保が掲げられているところです。
本大会は、犯罪被害者週間に合わせ、犯罪被害に遭われた方々の置かれた状況などへの理解・配慮等を一層促進しようとされるものであり、政府の取組と趣旨を同じくする大変意義深いものであると考えております。

また、本年4月1日より、これまで内閣府が担当しておりました犯罪被害者等基本計画の作成及び推進に関する事務が、国家公安委員会・警察庁に移管されました。
この業務移管は、より現場に近いところで犯罪被害に遭われた方々と密接に関わり各種施策を行っている国家公安委員会・警察庁に業務を移管することで、犯罪被害者等施策をより強力かつきめ細かく推進するためのものでございます。
政府では、これまで内閣府が中心となって犯罪被害者週間における集中的な広報啓発事業を実施してまいりましたが、今年は、業務移管を受け、警察庁が中心となってこの事業を実施しております。
12月1日には、性犯罪被害者支援をテーマとして中央イベントを実施いたしますので、皆様にも御参加いただければ幸いです。

 最後に、今日の大会を契機として、犯罪の被害に遭われた方々やその御家族・御遺族の置かれた状況などに関する理解が一層促進されるとともに、ハートバンドのネットワークがますます強固なものとなり、皆様の活動がより発展されることを祈念申し上げ、私の御挨拶とさせていただきます。


【公益財団法人 犯罪被害救援基金 専務理事 黒澤 正和様】


【公益社団法人 全国被害者支援ネットワーク 専務理事 秋葉 勝様】


「事件から15年、犯罪被害者の立場と支援する立場から」    
本郷 由美子 (池田小殺傷事件遺族)



「交通事故被害者のための具体的対応とその効果」
~大きく変わる被害者請求・事前認定の違い~                
上田 育生 (交通事故後遺障害家族) 



【ハートバンドについて   鴻巣・白倉】


【閉会の言葉   青木 聡子 (犯罪被害当事者ネットワーク 緒あしす) 】